ライブ配信について

ライブ配信について、すこしばかり。

SCIREが最初に一般公開でライブ配信を行ったのは三木市在住外国人へのインタビューで構成する短編映画「暮らす人」のストリーミングイベント「ウィズコロナの中で」です。
この映画は2020年初頭にSCIREが自主制作し、三木市内で三木市国際交流協会のイベントで上映した後、神戸元町にあるstorage booksで上映する予定でした。ところが、コロナの時代となり世界中のリアルイベントがのきなみ中止に。この企画も諦めざるを得ませんでした。
そんな中、当時店長の川浦司さんとストリーミングイベントを企画します。彼と可能な範囲で三木市内で取材を行い、コロナ禍での生活を話題の中心にした特別番組を追加で制作、映画とこの番組をセットにしたストリーミングイベント「ウィズコロナの中で」をライブ配信しました。

その後、storage books主催の絵本作家のきたむらさとしさんのウェビナーイベント、竹内みかさんの展示「Sentimental Park.stn」の上映ライブ配信、三木商工会議所が主催する映像のワークショップ「Movie Class」「コロナ時代のウェブ広告活用」「DXの扉」、みなぎ台小学校閉校セレモニーの配信、BBプラザ美術館で開催したジャックケルアック展のトークイベント、兵庫県養護教諭の研究発表会、078KOBE、Sino-Tibetan Languagesに関する国際会議の件では神戸市外国語大学、京都大学のお手伝い、三木市国際交流協会と再びタッグを組んだ「今、耳を傾ける」など、多種多様にストリーミングのお仕事を行ってきました。

集客して行うリアルイベントの開催が難しい日々の中でも、どうにかオンラインで人が集う場所をつくりたいという熱意ある企画担当者の方々と様々に話し合い、実現へ向けてお手伝いしました。
生放送には事故がつきものですが、重大事故なく今日まで達成できたのは、関係者や現場スタッフのみなさんのおかげです。そして視聴いただいた多くの視聴者の方々のおかげです。感謝です。
SCIREが現在までに制作をお手伝いした動画で公開されているものをは以下のプレイリストからご覧いただけます。
SCIRE | Streaming Program
コロナ禍の3年間、2020年から2023年まで、レギュラープログラムとしてお手伝いしたのが、神戸市外国語大学の特別講演のライブ配信です。
「ウィズコロナの中で」の企画準備中に、川浦司くんの紹介を経て知り合った、神戸市外大教授の難波江仁美さんがこれまで集客して開催していた大学の特別講演をライブ配信するにあたって技術協力を求められたところから始まります。
神戸の街で活躍するさまざまな職業の方々が実体験を交えながら、学生をはじめとするみなさんに語りかけるという...これは特別講演の形ではありましたが、いわば新時代のトーク番組でした。
もともとはZOOMを使ったオンラインセミナー形式で想定されていた企画でしたが、アーカイブで見たい人がいつでも見れる見れる番組にすべく、YouTubeLiveを使うことを提案しました。
3年間、様々なゲストがみえられて街から発信する素晴らしい企画となりました。

人の声、その熱量はリアルに対面する時がもっとも感じれます。液晶や有機ELでインターネットの画面を見るだけでは、そういうリアルには及ばないけれど、映像に見えること以上に解像度の高い表現ができないものでしょうか。デジタル的解像度も抽象的意味でも解像度が高い表現。どうすればできるか。自分がもちえる力で、テクノロジーでどこまで迫れるかを配信ごとに見直して高めていきました。
もともとSCIREはコマーシャル制作や暮らす人などのドキュメンタリー映画を作るぐらいなので、撮影したものを編集してインターネットの世界で広げていくということをコロナ時代まで5年間やっていました。
機材もそれに特化したもので、カメラはBlackmagic Pocket Cinema Camera。レンズは手動でピントを合わせるCarl Zeiss Milvusのようなモーター制御する機構を持たない全て手作業・マニュアルで操作するものばかりです。これはいわゆる配信向きの機材ではないのですが、映画に見られるような映像表現、凝った絵作りができる機材が揃っていました。
配信スイッチャーは、コロナ時代の中で新製品が各社から開発されて、8chの映像が切り替えられる機材がリリースされる面白い時代に突入しました。SCIREでも発売とほぼ同時に設備しました。
特定のスタジオで収録しないインターネットのライブ配信とは、こういった機材を配置する小さいテレビスタジオやコントロールルームを"即席"であっという間に作って、内容構成を確認し、配信スタート後は映像切り替えのスイッチングをし、終わったらすぐに撤収して跡形もないようにするということでもあります。
企画内容によって配信会場が変更される神戸外大の配信は、学生が勉強するシェアスペース、イベントホール、ANCHOR KOBEと機材配置の空間もインターネットの接続環境も様々でした。
設営時間は会場レンタルの関係でおよそ約1時間から2時間足らずのうちに全てを作ってしまいます。
こういった様々な制約は「効率的に準備すること」、「不効率だけれどいい映像になるようにすること」を整理するきっかけとなり、結果的に多くの経験を積むことができました。
初期の頃からのライブ映像を見返すと、映像も音声収録も進化しているのがわかり、内容もさることながら興味深いものになっています。
SCIREのライブ配信クオリティは神戸市外大のライブ配信が3年間レギュラーで行われたことで成長しました。
神戸市外大のライブ配信は先日の配信で一旦、最終回を迎えました。
番組の中心で企画・司会をされてきた、共に作ってきた難波江仁美さんに感謝します。ありがとうございました。

神戸市外大ライブ配信の3年の歴史はこちらからご覧いただけます。
KCUFS 2022-2023
KCUFS 2021-2022
KCUFS 2020-2021