SCIREという言葉は、ラテン語で「知ること」を意味します。
SCIREはこれまで、映像、アート、デザインの仕事において、流行や効率に流されることなく、作品を生み出してきました。
静かな問いに耳を澄ませながら、アーティストや職人、学者、社会に変革を与えようとする数多くの方々と、ともに思索を重ね、
「今ここでしか生まれないものがあるとすれば、それは何だろう」と問いながら、試行錯誤の日々を歩んできました。
今、見えている世界の地平の、その向こうに広がる景色を思い描きながら。
──「知ること」とは、なんでしょうか。
いつの間にか、「知っていること」ばかりが身のまわりを埋めつくし、世界が味気なく感じられることがあります。
一方で、宇宙の「知らないこと」の前では、ただ立ち尽くすしかない瞬間もある。
「知ること」とは、ただ情報に変換する行為ではありません。それは静かに、けれど確かに、わたしたちの内側にある、思考の地面をかためていきます。地面を拓き、また見えないものへと橋をかけていく。
頭や手を動かしながら、思考はかたちを得て、言葉となり、音となり、映像となり、身体となる。その言語は、ときに自分を動かしていた構造を解体し、新たな構造へと編み直していく。そうして生まれた言葉が、また次の問いを生み、循環が生まれる。そこには終わりではなく、多層的な始まりの連なりがある。
ひとつひとつの離散的な文字が連なりはじめるとき、やがてそれは質量を帯び、世界は、多自然的に、さまざまな次元で立ち現れてくる。
終わりが来るのではなく、終わりが重なり合い、織りなされていく。ひとつの終焉が、新たな世界の入口となるように。
そしてこれからのわたしたちの時代は、AIとも交わりながら、「知ること」は、わたしたちのかたちを変え続けていく。
あなたにとっての「SCIRE」とは?