SCIRE, be going on.
ー2011年
スマートフォン、インターネット、映像コーデックの発達などにより、デジタル動画はすっかり身近になっていた。
記録媒体としてのVHSの時代は終わり、スカイツリーが建ち、夏には地上派TVのデジタル放送完全移行が行われた。
だが、コピーガードが厳しいCPRMのDVDやダビング10のBlu-rayでテレビ番組が見られるよりも、
Youtuberがネットで作るオリジナル動画がシェアされ始めていた。
そんな最中に3.11は起こった。
ニュース速報よりも早くTwitterのタイムラインは人々の混乱で埋め尽くされ、
被害状況がスマホで撮影された動画としてYoutubeにあがってくる。
3.11から始まった景色を画面を通して映像として見ながら、知っていた世界は変わったと衝撃を受けた。
同時に、実は3.11よりも前から、知っていた世界から新しい世界へと自分が歩み始めていることにも気づいた。
10代の頃から絵や写真の世界でやってきたことを見つめ直した。ちょっと、やり方を変えてみようかと思った。
仲間たちと志染駅のマクドナルドに集まってネタ会議をして、実家で映像を作り始めてから、もう10年になる。
映像の事業化という課題を持ったSCIREになってからは今日で6年目。
自分の作品はもう作らないのか?という問いかけを度々もらう。
ずっと作っているんだけどな…と思いながらも、
言われていることがよくわかる。
世界が変わる頃というのは、外側も内側も変わっていくということなのだろう。
もやの向こうに、ひとつ。作ってみようと思う。
数ヶ月後に控える東京オリンピックという節目と今後起こりゆく様々な混迷極める事象。
みんなきっと大変だけれど、しっかりと立って、自分にできることをやろうと思う。
SCIRE | YAMADA hayato